エンパイヤ自動車物語
全二十四話
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更新してまいります。エンパイヤ自動車の歴史がこれでわかる!!



前回のあらすじ

国産車の品質の向上で、昭和47年ころから日本国内ではエンジン補修部品の需要が減少しつつあり、逆に輸出が増加していった。昭和48年3月、国産車の輸出増加に伴ってエンパイヤでは昭和23年に始まった輸出業務を、日本車の補修部品を中心として世界全域に拡大していった。また輸出部の呼称を時代に即応した海外部と改め体勢を強化した。


 本 編


消費者ニーズの多様化と個性化を求める新世代の登場で、自動車部品・用品の流通も大きく変化した。
昭和45年頃エンパイヤの顧客は商品流通経路によって次の7種類に分かれていた。

(1)地域部品商(全国約7千社のうちエンパイヤの取引先は約3千社)
(2)自動車整備工場(全国に7万8千社)
(3)大口ユーザー(タクシー、バス会社、運送業、官公庁など)
(4)ガソリンスタンド
(5)カー用品販売店
(6)その他、自動車と関連のある工場など
(7)海外市場

この7つの顧客に新しく、DIYや大型量販店が加わってきた。
エンパイヤ自動車では既に昭和45・46年頃から、アメリカのコンビニエンス・ストア、あるいはボランタリー・チェーンの、組織とその発展に対する研究を始めていたので、車の保有台数が増加すれば、やがて日本でも用品・付属品、場合によっては部品も、DIYや量販店で売られる時代が来ることを確信していた。

そして昭和47年に用品・付属品の新しい流通チャンネルの開発方針を決定した。新チャンネルを開発している中で、エンパイヤ会員からいろいろな相談を受けるようになり、エンパイヤ自身としてもアドバイスできるノウハウを培うことができた。これがようやく実って誕生したのが、昭和51年4月に発足した第2営業部である。

発足当初から新しい商品開発過程において、エンパイヤとしてひと味ちがった色彩を出すため、毎年春秋の広州交易会に担当者を派遣していた。このことがカー用品に関連した品揃えの意識付けに、おおいに効果を発揮した。

自動車部品生産見通し (昭和53年9月20日 交通毎日新聞より)
年度
自動車計
自動車部品合計
組付用部品
補修用部品
生産台数
対前年度
伸び率
総生産金額
対前年度
伸び率
生産金額
対前年度
伸び率
生産金額
対前年度
伸び率
(台)
(%)
(百万円)
(%)
(百万円)
(%)
(百万円)
(%)
40
1,937,908
110.6
391,554
107.3
280,791
106.3
59,545
107.1
41
2,466,603
127.3
501,109
127.9
375,170
133.6
77,063
129.4
42
3,406,265
138.1
667,536
133.2
530,613
141.4
90,661
117.6
43
4,198,429
123.3
832,951
124.7
679,859
128.1
102,596
113.2
44
4,850,151
115.5
986,603
118.4
793,215
116.7
133,779
130.4
45
5,454,524
112.5
1,161,288
117.7
935,256
117.9
150,050
112.2
46
5,883,562
107.9
1,315,330
113.2
1,059,047
113.2
160,414
106.9
47
6,533,572
111.0
1,534,212
116.6
1,227,352
115.9
197,696
123.2
48
6,994,515
107.1
2,006,702
130.7
1,610,379
131.2
260,159
131.6
49
6,504,667
93.0
2,247,410
111.9
1,761,441
109.3
286,898
110.3
50
7,130,999
109.6
2,495,310
111.0
1,985,303
112.7
341,709
119.1
51
8,050,643
112.9
2,943,511
118.0
2,369,283
119.3
386,595
113.1
52
8,713,000
108.2
3,391,900
115.2
2,710,800
114.4
442,200
114.4
年度
2・3輪車用部品
輸出用部品
生産金額
対前年度
伸び率
四輪車用部品
輸出金額
二輪車用部品
輸出金額
自動車部品
輸出金額
対前年度
伸び率
(百万円)
(%)
(百万円)
(百万円)
(百万円)
(%)
40
4,569
113.9
5,009
513
5,522
114.3
41
4,245
92.9
6,138
286
6,424
116.3
42
3,730
87.9
8,639
316
8,955
139.4
43
3,942
105.7
10,867
201
11,068
123.6
44
4,626
117.3
12,825
524
13,349
120.6
45
6,184
133.7
13,369
767
14,136
105.9
46
7,683
124.2
17,816
1,215
19,031
134.6
47
8,756
114.0
18,662
2,935
21,597
113.5
48
111,218
128.1
21,193
2,789
23,982
111.0
49
116,881
150.5
28,631
1,623
30,254
126.2
50
113,849
82.0
27,668
2,136
29,804
98.5
51
114,697
106.1
38,570
2,093
40,663
136.4
52
118,840
128.2
48,700
2,600
51,300
126.1

第2営業部は主として関東地域のDIY店、量販店の市場開拓、商品供給を業務としているが、初めは従来からの得意先がスーパーなどに進出する時のフォローアップが主であった。それは進出店の地域特性、購買層調査に始まって、出店時は間取りの設計、ディスプレイの指導をおこない、開店後は経営管理なども指導する。必要とあれば他の商品を問屋から調達する仲介役をすることもあった。

小売商のコンサルティングをおこなうには的確な情報収集、小売業者への情報提供が必要である。常に第一線から入手した情報を本社で分析して、再び小売店にフィードバックする。場合によっては直接店に出向いていってコンサルティングしなければならない。変化する市場の動きに対して柔軟な思考と迅速な行動が要求されるわけである。

市場動向と共に小売店にとって欠かせない情報は、最近の車輌情報である。自動車は車種名だけでなく、車輌型式、エンジン型式、年式などがあって、それについて少しずつ部品の種類が違う場合がある。極端な場合には、同車種同年式でも、ある製造番号までとその後の製造番号とでは部品構成が違う場合もある。こういった細かい情報を提供するのも第2営業部の重要な業務であった。

DIYとは?
Do It Yourself 【ドゥ・イット・ユアセルフ】
『よりよい住まいと暮らしを自分たちの手でつくろう』という意味で、現在のホームセンターなどがあげられる。
ボランタリー・チェーン(VC)とは?
小売店主達が自店の継続的繁栄を真剣に考え、同じ目的をもった小売店主達と組織化し、「目的共同体」を結成し、団体となったもの。
卸業者を含めた共同体もあり、小売業者にとっては、いち早く商品情報や販売戦略等が卸業者からリテールサポートとして提供され、卸売業者にとっては、正確な売れ筋情報の把握や、自社の戦略への理解や協力を小売店から得やすくなる。

 

次回予告
 

情報の即時処理体制の確立



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