●自動車税軽減運動

組合運動の中心となっていたもので、大正10年4月1日から実施された東京府自動車税は一度に8割も増徴される酷税だった。東京自動車業組合はその月に府下の自家用自動車所有者に向かって、新税法に対する意見とともに自家用車よりも賃貸自動車を利用する方が得策であることを強調した次のような自家用自動車経費概算表を送った。


自家用自動車経費概算表

二十馬力の自動車にたいする一日の使用経費(但し一日十哩を使用する標準)
一、 金二円二十五銭 揮発油代
一、 金一円四十銭 タイヤ消費(但二千哩消却)
一、 金三円 運転手給料並手当
一、 金二円三十五銭 自動車税
一、 金一円 車庫費
一、 金二円 修繕費但オーバーホール共
一、 金六円 自動車償却費(価格五千円位)
一、 金一円 モービル油水道料其の他の消耗費
金十八円九十五銭也  
一ヶ月計 金五百六十八円五十銭也  

「右の通り若し之を賃貸自動車を御利用なさる事とすれば一日十哩宛御乗車なさるものと見積り
其自動車使用料金は僅か六、七円以内でありまして、一ヶ月を通算しましても二百円内外で御用達
出来る事になります。・・・・・後略」