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第16話 新流通チャンネルの構築

消費者ニーズの多様化と個性化を求める新世代の登場で、自動車部品・用品の流通も大きく変化した。
昭和45年頃エンパイヤの顧客は商品流通経路によって次の7種類に分かれていた。

(1)地域部品商(全国約7千社のうちエンパイヤの取引先は約3千社)
(2)自動車整備工場(全国に7万8千社)
(3)大口ユーザー(タクシー、バス会社、運送業、官公庁など)
(4)ガソリンスタンド
(5)カー用品販売店
(6)その他、自動車と関連のある工場など
(7)海外市場

この7つの顧客に新しく、DIYや大型量販店が加わってきた。
エンパイヤ自動車では既に昭和45・46年頃から、アメリカのコンビニエンス・ストア、あるいはボランタリー・チェーンの、組織とその発展に対する研究を始めていたので、車の保有台数が増加すれば、やがて日本でも用品・付属品、場合によっては部品も、DIYや量販店で売られる時代が来ることを確信していた。

そして昭和47年に用品・付属品の新しい流通チャンネルの開発方針を決定した。新チャンネルを開発している中で、エンパイヤ会員からいろいろな相談を受けるようになり、エンパイヤ自身としてもアドバイスできるノウハウを培うことができた。これがようやく実って誕生したのが、昭和51年4月に発足した第2営業部である。

発足当初から新しい商品開発過程において、エンパイヤとしてひと味ちがった色彩を出すため、毎年春秋の広州交易会に担当者を派遣していた。このことがカー用品に関連した品揃えの意識付けに、おおいに効果を発揮した。


第2営業部は主として関東地域のDIY店、量販店の市場開拓、商品供給を業務としているが、初めは従来からの得意先がスーパーなどに進出する時のフォローアップが主であった。それは進出店の地域特性、購買層調査に始まって、出店時は間取りの設計、ディスプレイの指導をおこない、開店後は経営管理なども指導する。必要とあれば他の商品を問屋から調達する仲介役をすることもあった。

小売商のコンサルティングをおこなうには的確な情報収集、小売業者への情報提供が必要である。常に第一線から入手した情報を本社で分析して、再び小売店にフィードバックする。場合によっては直接店に出向いていってコンサルティングしなければならない。変化する市場の動きに対して柔軟な思考と迅速な行動が要求されるわけである。

市場動向と共に小売店にとって欠かせない情報は、最近の車輌情報である。自動車は車種名だけでなく、車輌型式、エンジン型式、年式などがあって、それについて少しずつ部品の種類が違う場合がある。極端な場合には、同車種同年式でも、ある製造番号までとその後の製造番号とでは部品構成が違う場合もある。こういった細かい情報を提供するのも第2営業部の重要な業務であった。

DIYとは?

Do It Yourself 【ドゥ・イット・ユアセルフ】
『よりよい住まいと暮らしを自分たちの手でつくろう』という意味で、現在のホームセンターなどがあげられる。

ボランタリー・チェーン(VC)とは?

小売店主達が自店の継続的繁栄を真剣に考え、同じ目的をもった小売店主達と組織化し、「目的共同体」を結成し、団体となったもの。
卸業者を含めた共同体もあり、小売業者にとっては、いち早く商品情報や販売戦略等が卸業者からリテールサポートとして提供され、卸売業者にとっては、正確な売れ筋情報の把握や、自社の戦略への理解や協力を小売店から得やすくなる。


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